Nasto Tours編集部
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【社会情勢編】ベトナムホーチミン市でのロックダウンの状況

ベトナム経済は、最大都市ホーチミン市でのロックダウンの影響から、21年第3四半期(7~9月)は大きくダメージを受けました

コロナウイルスに対する早め早めの対策が奏功し、それまで「アンチコロナの優等生」とみられていたベトナムで、21年夏にかけて、最大都市ホーチミンを中心にデルタ株の蔓延が猛威を奮ったことを受けて、同市とその周辺地域でロックダウンが行われました。厳しいロックダウンは3ヶ月に及び、市民生活が疲弊、また経済的にも大きなダメージを受けました。

同10月1日にロックダウンが解除されて以来、生産は徐々に回復し、輸出においても急回復を見せておりますが、一方で、WTIに代表される原油相場の高止まり、また世界的なコンテナ不足、北米の景気回復に伴うアジアから北米への輸出が増加していることなどを背景に、例えばホーチミン~東京などのアジア路線での用船料が著しく高騰しており、ベトナムからの輸入は問題も多くはらむ中で推移しているところです。


ホーチミンでは7月から3ヶ月、厳しいロックダウンが行われました

ホーチミンでは、21年7月9日、首相指示16号が発令され、全市にわたりロックダウンが開始されました。デルタ株の蔓延が拡がりだした5月末以降、市民の必要以外の外出禁止、バス、タクシー等の公共交通機関の運行停止などの策が取られてまいりましたが、なかなか効果を出すことができず、ついに7月に入ってロックダウン命令が施行されました。

この発令以降、生産企業に対しては、生産現場で生産に携わる労働者の隔離を確保する(生産、飲食、宿泊を生産拠点内に確保(いわゆる3 on site)する)企業にのみ製造許可を与えるとし、それ以外の企業は操業停止を命じたほか、市民に対しては夜間外出の禁止(18時以降翌5時まで、7月25日~)を指示していましたが、9月6日には、蔓延が防げないとの判断の下、24時間の外出禁止令を発令いたしました。市民は買い物もままならない状況下、配給切符と交換で軍隊の担当から食料の配給を受けるという生活を余儀なくされました。

こうした状況下、21年7月~9月のホーチミン市の鉱工業生産指数は前年同期比47.1%のダウン大きく落ちこみ、また小売売上高に至っては同60.6%ダウンと大きなダメージを受けました。ベトナム全土での工場での操業停止を受けた休業者は1470万人といわれ、失業者は500万人近くに達しており、収入を絶たれた上、ロックダウンから地元に帰郷できない人々がホームレスとなって街中に散らばり、こうした人々からクラスターが発生するという極めて深刻な事態も発生しました。

このようなロックダウン政策は新規感染者の縮小という形で結果を出しつつありましたが、経済の縮小とのバランスの中、政府は10月1日にロックダウンの解除を命じ、「ウイズコロナ」政策の中、社会は正常化に向けて徐々に変化してきております。最大の都市である南部のホーチミン市での新規陽性患者が著増している間、首都ハノイ、北部港湾都市ハイフォンでは、感染者数が比較的なだらかな増加傾向であったため、2大都市のホーチミン、ハノイ以外の都市ではロックダウンは行われておらず、特に北部地域各県での工場生産は順調に行われ、輸出においてもモノが比較的順調に流れておりました。

ホーチミン市のロックダウン解除を受けて、10月以降南部からの輸出コンテナが激増したことなどから、ベトナム全土では輸入量、輸出量ともに激増しております。しかし、一部帰郷した港湾労働者が戻っていないことや、コロナウイルス禍が収まっていないことから港湾業務の繰り回しも時間がかかっており、ベトナムへの輸入の滞貨、コンテナの回転率の低下、輸出量に対する絶対量の制限、というサイクルで悪循環が続いており、結果として、コンテナ不足によるコンテナ調達価格の高騰もあり、日本などへの輸出コストは大きく跳ね上がっております。弊社の扱うタオルで例をとってみると、ハイフォン港~大阪港の輸入コスト(現地でのコンテナ積み込み、二国間の船代など)は、21年1月時点で比較すると、前年同期に比べて、積み荷の価格に対して約2.8%上昇しております(20FEETコンテナ)。   


テロ以降の経済活動は徐々に巡航スピードに戻ると思われます

現在ベトナムでは、オミクロン株の急速な蔓延により新規陽性患者数は増加していますが、「ウイズコロナ」という政策の下、22年1月4日からは中学、高校での対面授業が再開されたほか、同1月10日からはバーやカラオケなどの営業が再開されるなど、正常な状態に戻りつつあります。

一方で、ロックダウン前後に職場が閉鎖されたため、郷里に戻らざるをえなかった労働者の多くが、地元で非正規の労働を続けながら収入を得ており、テト(旧正月、22年は2月1日が元日)以前においてはホーチミンなど都会に戻らない人が多く、ロックダウン明けに操業を開始した企業においても、十分な労働力が確保できず操業度が上がらないという悩ましい状態が持続している先が多くみられております。しかし、こうした状況もテト明けには収入の関係から多くの労働者は都会に戻らざるをえず、工場の操業度も徐々に回復するとみられており、ベトナム経済も巡航スピードに戻る方向に大きく進んでいくことが期待されております。


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